Chess Records

1981年にMuddy WatersがRolling Stonesと唯一公式に共演したライブ音源がオフィシャルリリースされるとあって楽しみなわけだが、タワーレコードの紹介サイトにはこんな文言がある。

「少年時代の友人だったミック・ジャガーキース・リチャーズが再会を果たしたとき、ミックが脇に抱えていたのは『ベスト・オブ・マディ・ウォーターズ』のLPレコードだった。」

公式プロフィール的にはこれは半分しか正しくない。ミックはMuddyの他にもう1枚、Chuck BerryのBerry is On Topを持っていてキースに声をかけられるのだ。
MuddyのRolling Stonesへの影響を強調したいならタワーレコードの文章で充分かもしれないが、彼らの音楽の成り立ちを知るためには、Chess Recordsのカタログの中でも王道路線とノベルティ路線を同時に嗜む雑食性を踏まえておく必要がある。
カルチャーギャップを意識しなかった彼らがいい意味で見境なく持ち上げたからこそ、今ではMuddyもChuckもロックの始祖として同格の扱いになっている。